ペンを使って、手書きができるノートパソコン「東芝 VZ72/B」。専用のペンを走らせ、アイデアを形にできる、手書きノートパソコンです。その魅力はどこにあるのか、使用した感想を交えて紹介したいと思う。
今回、使用したモデルは、持ち運びやすい12.5インチディスプレイ、重さは、軽量の約1099gのノートPCです。基本スペックは表の通りで、Core i7を搭載して、立派な性能を発揮してくれます。
このパソコンは、2in1と呼ばれる形態を変えられるパソコンなので、ディスプレイを回転すると、タブレット型やテント型になります。タブレット型にすると、手に持ちながらネットを楽しんだり、ペンによる手書き用のデジタル媒体として活躍してくれます。
キーボードを使って、ワープロ、表計算をする時は、通常のノートパソコン形態として、利用シーンに合わせて最適な「形」を選べるのが、とても楽しいところです。
本体の重さは1099グラムほど。タブレット形態の時に、手で持ちながら作業するときでも、扱いやすいと思います。横幅は約30センチのコンパクトさで、モバイルに適したサイズに作られています。
では、さっそく、ペンを使って実際に手書きをしてみます。
これは、簡単なメモですが、図示が多くペン入力が適しています。
メモ用紙とペンだと紙がどんどんかさ張る、散らばるのを、デジタルでメモを取ることで防ぐことが可能です。
次のように、授業でノートを取るとき、色分けして手書きをする例です。
写真に手書きするのも、お手の物です。活字も入れることが可能です。(アプリは、Meta Moji Note Liteを使用)
いろいろと、手書きの例を見てきましたが、どんなときに、手書き入力が便利なのでしょうか。そして、紙とペンを使うよりも、有益なのでしょうか?
それは、文字に加えて図による表現を入れたいと思った時、大きな力を発揮してくれるでしょう。 また、自分のアイデアを、よくメモを取っては見返すという人も、紙を散在させずにパソコン内に貯めておけるので、デジタル手書きの恩恵を受けられると思います。
今回は付属の手書きアプリ「TruNote」を使って、手書きをしました※。このパソコンには、「TruNote」と連携する4種類のアプリがあって、カメラアプリ、ボイスレコーダアプリに、クリッピングアプリ、そして、手書き共有用のアプリがインストールされています。フリーの手書きアプリをインストールしなくても、すぐに手書きが可能です。(※バラ写真への手書きは、Meta Moji Note Liteを使用)
12.5インチの、フルHD(1920×1080)解像度のディスプレイで、画像は綺麗です。ノングレアなので、周囲の光が反射するのが抑えられています。斜めから見た時の見やすさとしての視野角は良好で、ディスプレイとして合格だと思います。
キーとキーの間隔は、デスクトップ並みの19mmで、指と指をくっつけて打つようなことは有りませんでした。キーを打った時の感覚、押下げ感のほうも、なかなか良い感触でした。(キーストロークは1.5mm)
タイピング音も抑えられています。また、本体の作りがしっかりしているので、キーボードがたわむこともありませんでした。このキーボードは「良い」のカテゴリに入ると思います。
次にタッチパッドの使用感ですが、広さは十分で、クリック音は静かなので、とくに気になるところは見当たりませんでした。
また、指紋認証機能が使える機種なので、タッチパッドの左上にセンサーがある。ウィンドウズのサインイン、スリープからの復帰に、指をタッチするだけで、サインインを可能にしてくれる便利な機能です。スマホでおなじみかもしれませんね。
タブレット形態にして、手で持ちながらの作業性は良好です。ただ、コンバーチブル型の2in1なので、分離型の2in1よりも多少の重量感はあります。ノートパソコン形態のときの重心の安定性は高く、タッチパネル使用時に、後ろに倒れることはありませんでした。
ネットの使用時や、付属の手書きソフトTruNoteを使っているときには、無音か小さなファンの回る音がするだけでした。
動画編集でエンコードを行った時には、CPUに重い負荷がかかります。その時にはFANの音が大きくなるので、最大でどのくらいのFANの音がするのか目安となります。その時のファンの音は、数値では+3.1dB~+4.4dB と優秀です。
高負荷な処理が終わった後には、一気に冷却するため+5.5dBまで、上昇しますが、一般的なレベルで、全体的には、静かなノートPCだと感じました。(室温24度、基準42.3dB、騒音計をパソコン手前中央に10cm離して計測)
バッテリの-持ちをチェックしてみました。動画のループ再生を行って、どれくらいの時間持つのかチェックしました。残量15%になるまで、6時間47分かかりました。(動画は1920×1080、XAVC S形式をフル画面で、連続再生してチェック。ウィンドウズ付属の「映像&テレビ」で再生、輝度最大。)
12.5型のノートパソコンなので、重い処理をこなすとき、本体に熱がこもると思っていましたが、パームレストの温度上昇はそれほどでもなく、良好なものでした。放熱が上手にできているなと思います。キーボード面の真ん中より左上側に熱を持ちますが、これも一般的なもので、放熱性は良いようです。
USB端子は、USB3.0×1、USB Type-C(Thunderbolt 3対応)×1が本体に付いています。本体を充電するには、USB Type-C端子に、ACアダプターを接続することで可能です。
もしも、USBポートをもっと使いたい時、外部ディスプレイにHDMI経由で表示したい時には、本体のUSB Type-Cに、ポート拡張用のアダプターを接続すると、さまざまなコネクタを使えるようになります。
プロジェクターの接続に使う、アナログRGB端子も有ります。
「オニキスメタリック」は、シルバー系のカラーなので、万人受けすると思います。好きなカラーリングでした。
「東芝 VZ72/B(PVZ72BM-NNB)」を使ってみると、「手書きは楽しい」と感じました。さらに、テキストと共に、図や挿絵を素早く描けるという、便利さを実感しました。
ノートPCを持ち歩き、楽しくペンで手書きをする。このような新しいスタイルを、「東芝 VZ72/B」で堪能してほしいと思います。
このモデルは、「Core i7-7500U」を搭載で処理能力は高いCPUを搭載しています。メモリの容量は8GBと16GBから選択可能です。通常は8GBで十分です。ストレージはSSDを搭載、256GBと512GBがあって、写真や動画をたくさん保存する方は512GBの容量が無難です。
尚、アクティブ静電ペンは付属しています。
CineBench R15 | CPU種: Core i7-7500U シングルコア: 146 マルチコア: 360 |
FireStrike | 総合: 953 |
Sky Diver | 総合: 4227 |
Cloud Gate | 総合: 6891 |
Crystal Disk Mark | 537.0/254.2 (シーケンシャルリード/ライト Q32T1) 287.7/188.5 (4kランダムリード/ライト Q32T1) 407.3/256.7 (シーケンシャルリード/ライト) 7.864/38.02 (4kランダムリード/ライト) (単位はMB/s) |
PassMark | PassMark Rating:2821 (CPU:5574 3DGr:1082 DiskMark:2922 2DGr:633 Memory:2257) |
起動・終了時間 | 起動時間: 約12.9秒 終了時間: 約12.9秒 |
動画エンコード | 1Pass:8分27秒 ※1 2Pass:16分30秒 ※1 |
SSD | TOSHIBA THNSNK512GVN8 (512GB SATA) (同じモデルでも、SSDのメーカーが同じとは限りません) |
備考 | ※1 TMPGEnc Video Mastering Works 6 を画質「標準」でエンコード。 AVCHD M2TS形式(H.264 AVC),フルHD,30fps,22Mbps,5分の動画 → MP4(H.264 AVC),1280×720,30fps へ変換 (サンプル動画A使用) |