ノートパソコン用コアi3と言えば、何を思い浮かべるだろうか。処理速度が遅い、値段が安いパソコンに搭載されている等ではないだろうか。今までのコアi3は、実にその通りだけれど、最新8世代目のコアi3は、性能が一気にアップされて、一線を画している。
Core i3-8130Uの基本スペックだが、2コア4スレッドで、ベースクロックは2.2GHz、最大クロックはターボブーストで3.4GHzになる。何といってもターボブーストを搭載したことが大きな魅力である。最大クロックはワンランク上の、Core i5-8250Uと同じで、また前世代の上位CPUであるCore i7-7500Uとほぼ同じクロックスピードになっている。(7×××は前世代のCPUです。比較対象として載せています。)
CPU | コア/ スレッド |
ベース/ターボ | メモリ | 内蔵GPU | TDP | プロセスルール |
Core i3-8130U | 2/4 | 2.2/3.4GHz | DDR4-2400 | Intel UHD Graphics 620 | 15W | 14nm |
Core i3-7100U | 2/4 | 2.4GHz | DDR4-2133 | Intel HD Graphics 620 | 15W | 14nm |
Core i7-7500U | 2/4 | 2.7/3.5GHz | DDR4-2133 | Intel HD Graphics 620 | 15W | 14nm |
Core i5-8250U | 4/8 | 1.6/3.4GHz | DDR4-2400 | Intel UHD Graphics 620 | 15W | 14nm |
7世代目のCore i3-7100Uと8世代目のCore i3-8130Uの性能の違いは、ベンチマークテストを見ると違いがはっきりとする。
シングルコアでは、Core i3-8130UはCore i3-7100Uの約1.4倍のスピードで、ビジネス系やネットなどのアプリケーションの動作がかなり高速になることを示している。
マルチコア性能では、約1.3倍となっている。この性能は、7世代目のCore i7-7500Uにもう少しで匹敵するパワーで、現在のコアi3搭載ノートPCは、前世代のコアi7クラスの処理速度を持っていることがわかる。
Core i3-8130Uの性能が大きくアップしたのは、ターボブーストを搭載したことが大きい。今までのコアi3にはターボブースト機能はなく、最高クロックは2.4GHz程度であったが、新コアi3では、ターボブーストで3.4GHzまで上昇する。前世代のCPUラインナップでは、コアi3にはターボブーストが非搭載で、コアi3とコアi5の差は、ターボブースト機能の搭載が性能の差として表れていたが、最新8世代目のコアi3とコアi5と比べると、2コアか4コアという大きな違いがあり、コアi3にターボブーストを搭載しても、製品としてのすみ分けを図れるからなのだろう。
それでは、Core i3-8130Uの性能を、デスクトップ向けのCPUと比較するとグラフのように、Pentium G5400には及ばないものの、差はかなり縮まっている。Pentium G5400は2コア4スレッドのCPUで、低価格で人気のあるCPUだが、ビジネス系やネットなどの処理には十分な処理速度のCPUである。
Core i3-8130Uの価格は、281ドルと低価格なので、ノートパソコンの価格を抑えることができる。もしビジネス系やネット、簡単な写真加工しかしないという方は、Core i3-8130Uでも良い性能を発揮してくれる。もし動画編集等のコア数が多いほど高速になる処理をしたいときには、Core i5-8250U以上を選ぶとよい。
1世代前のCore i7-7500Uに近い性能をもった新コアi3。これは、4コア化の波によって、別の形で性能アップに繋がった例といえるだろう。