パソコンで作成したワードやエクセルの文書やデジカメの写真は、日々パソコンに増え続けていきます。もしも、パソコンが故障してデータを失ったときには、バックアップを取っておくことで、データを復活させることができます。昔から言われている通り、やはりバックアップは必須です。
ここでは有名な「EaseUS Todo Backup Free」というフリーのバックアップソフトで、簡単、確実に済ませるバックアップ方法を紹介したいと思います。(EaseUSはイーザスと読みます)
ソフトは公式サイト(EaseUS Todo Backup Free)よりダウンロード可能なので準備しておきます。
毎日作成した文書など、データを守るためのバックアップと、パソコン環境を守るためのバックアップの2つが基本です。パソコンにフォトショップをインストールしたり、フリーソフトを入れたあとにパソコンが故障すると、再びアプリのインストールや、時間のかかるウィンドウズアップデートを行わければなりません。作成した文書だけでなく、パソコン環境を守るためにもバックアップが必要になります。この文書データとパソコン環境の両方をるために、バックアップソフトを使用して毎日バックアップを行ってゆきます。
バックアップファイルの保存先は、外付けUSBハードディスクやUSBメモリなどの、別のドライブに保存します。同じドライブにバックアップファイルを作成すると、ドライブが故障したときに、元のデータとバックアップデータの両方ともに消滅してしまうからです。バックアップの基本は、別のドライブにバックアップを保存することを覚えておきましょう。
まず、作成した文書や写真などの、データを守るためのバックアップ方法を説明します。
「EaseUS Todo Backup」では、ファイルバックアップという機能を使ってバックアップを取ることができます。下図のように、数ステップの設定で、大切なデータのバックアップを毎日自動実行してくれます。
バックアップを取るタイミングは、一日の終わりに一回とか、数時間ごとに実行するなど、文書ファイルの更新に合わせて、実行タイミングを設定します。
ウィンドウズが何かと不安定だったり、ドライブが故障してしまったときのために、パソコン環境を丸ごと保存するためのバックアップを取っておきます。ウィンドウズ本体とアプリを含め、ドライブを丸ごとバックアップしておきます。ドライブが故障しても、新しいドライブを買ってきて、故障前の環境にすばやく復元することができるのです。
EaseUS Todo Backup Freeには「ディスク/パーティションバックアップ」という機能があり、これを使用して丸ごとバックアップを取ります。現在はGPTディスクというディスクを管理する方式が主流で、ウィンドウズのインストールされているドライブは複数のパーティション(領域)から成り立っています。ディスク/パーティションバックアップでバックアップするときには、ドライブ内にあるすべてのパーティションにチェックが入るように設定しましょう。保存先は、外付けUSBのハードディスクなどにします。
このドライブを丸ごとバックアップする方法は、ドライブの容量を食うので、バックアップを取るタイミングとして、新しいアプリのインストール時や、週に1回バックアップを取るのがおすすめです。
さて次は、このバックアップを復元する話になります。ウィンドウズのインストールされたシステムドライブを復元するには、ウィンドウズ上から復元したり、起動ディスクからパソコンを起動して復元します。ウィンドウズが立ち上がらない時のために、起動ディスクを作成しておくことをおすすめします。起動ディスクは空のDVDを用意し事前に作成しておきます。ここではフリー版を紹介していますが、上位のHOME版では、USBの起動ディスクを作れるので、DVDドライブ非搭載のノートPCでも起動することが可能です。
筆者はドライブのバックアップを取り、実際にウィンドウズを復元してみました。ここではドライブの故障時を想定し、新しいドライブに復元することを念頭においたテストです。ディスク/パーティションバックアップを使い、ドライブを丸ごとバックアップして、バックアップファイルは外付けUSBに保存、タイプの違うドライブに復元してもウィンドウズが正常に起動するかどうかを見ています。
下の図はその結果で、SATA SSDに復元するなど、復元元と復元先のドライブの種類が違っても復元が可能で、ウィンドウズは正常に起動しました。SATA SSDのディスクイメージから、NVMeタイプのSSDへの復元をしましたが、ウィンドウズは起動しませんでした。これは正常な結果で、ソフトの問題ではなく、AHCI(SATA)とNVMeはシステム的に違いがあり、起動しないのが普通です。SATA SSD からNVMe SSDへシステムを移すには、後述のディスククローン機能を使います。
※HDDイメージとは、ウィンドウズのインストールされたハードディスクの、ドライブ全体のバックアップファイルのこと。同様に、SATA SSDイメージとは、ウィンドウズがインストールされているSATA SSDの、ドライブ全体のバックアップファイルのことを示しています。
もうひとつ、復元先のドライブが領域開放してあったり、未フォーマット状態だと、エラーが出て復元に移ることができないので、少し注意が必要です。復元時に選択できるオプションより「セクタバイセクタ復元」にチェックを入れることで、復元が進行してゆきます。その辺を踏まえておけば、簡単に復元が終了します。
ドライブの引っ越しをするときに役に立つ機能です。パソコンのドライブの容量が手狭になって、大きい容量のものに買い替えたり、低速なハードディスクをSSDに交換して高速化したいときには、ディスククローン機能を使います。今使っているドライブから新しいドライブに内容を丸ごとコピーし、システムを移行できます。さらに、この機能の良い点は、SATAのSSDをNVMeのSSDにクローンできること。最近では、このパターンの引っ越しも多いので、重宝すると思います。
ディスククローンをするためには、パソコンに新しいドライブをつなぐ必要があります。ハードディスクケースやSATA-USB変換ケーブルを購入してUSB端子に接続します。
尚、ハードディスクからSSDへクローンする際には、「SSDに最適化」というオプションを選択してクローンします。
今回はテストしませんでしたが、SATA SSDから新しいSATA SSDへの引っ越しも、もちろん可能になっています。
精密機器としてのパソコンは、たまに故障します。振り返ってみると、筆者のハードディスクはここ20年間で、7~8台くらい故障した記憶があります。また、最近では、ウィルス、ワームによる被害も多く聞くので、失って困るデータは、バックアップを取っておくのが賢明な判断でしょう。バックアップソフトを活用して、簡単、確実にデータを守ってほしいと思います。