携帯電話の料金が格段に安くなる新料金プランが各社よりスタートした。この新料金プランは、20GBで月3000円前後に抑えられるというお財布にとてもやさしいプランだ。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアと、通信網を拡大中の楽天モバイルを加えた4社を比較し、乗り換え時の注意点も合わせて解説する。
3キャリアの新プラン「ahamo」「povo」「LINEMO」のデータ通信量は月20GBの容量が利用可能。月に20GBも使っていない人もいると思うが、インターネットや動画視聴など積極的に利用していた人は新プランで、月料金を大幅に安く抑えられる。一方で、LINEやネット検索を主に使用している場合は、月1GB以内の最安プランや数ギガバイトの利用で収まるので、現在の契約の方が安くなるかもしれない。
通話は国内通話。税込み価格で表示
楽天モバイルのRakuten UN-LIMITは、月のデータ使用量によって料金が決定するプランで、1GBまでは無料、20GBの利用では月料金は2178円になっている。無制限で使用しても3278円と3キャリアより価格が低く抑えられている。ただ、筆者の地域の楽天回線の電波は、自宅では良好でも、大型商業施設や地下では入りにくかったりする。
次に通話機能を見ると、新プランでは料金設定に各社の特色が表れている。ahamoはプラン料金に「5分無料通話」が付いて2970円。povoとLINEMOは従量制の30秒当たり22円の通話で、550円をプラスすると「5分無料通話」を付けることができる。データ通信と通話のセットで考えるとドコモのahamoが2970円で安い。しかし、データ通信をメインに利用して、通話はほとんど使用しない場合には、月2728円のpovoとLINEMOの方が安く使える。
新プランには、かけ放題オプションもあるので、5分で通話を一度切ってかけなおすのが面倒だったり、時間を気にせず通話したいときには付けることができる。Rakuten UN-LIMITはプランに込みでかけ放題なので、通話を重視する人にはおすすめだ。
かけ放題のオプション料金は上の表のとおりで、例えばahamoはかけ放題オプションが月1100円で、プラン2970円と合わせて合計4070円で利用可能である。
新料金プランに乗り換える場合には注意したい点がいくつかある。現行の3キャリアのプランで利用できた、留守番電話サービス、メールアドレスは利用ができなくなるのだ。同じ会社同士の乗り換えでもメールアドレスは引継ぐことはできず利用はできない。また、家族の契約人数に応じた割引、光回線加入による割引などの各種割引など、適用されないサービスが他にもあるため、新プランへ変更前に必ず確認しておこう。
電話番号は同じキャリアであればそのまま引継げるが、異なるキャリアに移行するときは、MNPを利用して電話番号の引継ぎが可能だ。
新プランの3キャリアの契約手続きは、店舗では対応せずオンラインだけで手続きを行うのが新プランの特徴だ。
契約する前にはホームページで、自分のスマホが対応しているか、対応端末リストを見て確認しよう。比較的新しくても対応していないスマホも案外多いが、手持ちのスマホが対応機種の場合は、SIMの契約を行って利用することができる。非対応の機種なら、新しい機種を購入することになるが、ahamoでは数機種、povo、LINEMOは機種を取り扱っていないので、現キャリアで機種変更してから新プランに変更しよう。また、対応するシムフリーのスマホをメーカーウェブサイトなどで購入し、新サービスで利用することもできる。
現在のキャリアと異なるキャリアのサービスを利用するには、シムロックの解除が必要になる。シムロックとは他社の回線を利用できなくするもの。例えば、ドコモのスマホを、auのpovoで利用するならシムロックの解除をしなければならない。例外として、ソフトバンクやワイモバイルから LINEMOに移行するときは、同キャリアでも解除が必要になるので注意する。シムロックの解除は各キャリアの店頭で行ってもらえる。
20GBのデータ容量に5分以内の無料通話が付いて月2970円で、データ通信と5分無料通話付きでは、キャンペーンを考慮しなければ3大キャリアの中で最も安い。かけ放題オプションの追加はプラス1100円になる。他社のかけ放題はプラス1650円なので、ahamoは3キャリアの中でもっとも安く付けられる。思い切った価格設定にドコモのネットワークの安心感で魅力のある新プランになっている。ahamoは新料金プランのなかで唯一機種の販売をしており、ラインナップは少ないが、SIMの契約と同時に機種の購入ができる。
データ通信に必要に応じて通話オプションを付けられるpovo。通話は30秒で22円の従量制で、5分無料通話やかけ放題をオプションで付けることで、通話を強化することが可能。5分無料通話を付けるとプラス550円で月額は3278円になる。オプションメニューにはさらに、24時間のデータ通信を使い放題にする「データ使い放題24時間」がプラス220円で用意されていて、データを多く使う日などは便利なオプションだ。povoの月容量は上限20GBになっているが、足りなくなれば550円で1GBずつ増やすことができる。
ソフトバンクの新料金プランのLINEMOは、データ通信20GB、通話は30秒で22円の従量制のプラン。月料金は2728円で、5分以内の無料通話は550円でプラスできる。さておき、LINEMOの強みといえば、LINEのデータ消費を有利にするLINEギガフリーが付いていること。これは、LINEアプリのトーク、音声通話、ビデオ通話などを使った通信は、月の20GBを消費することなく利用できるようにするもの。LINEをよく使う人には魅力があると思う。また、スタートアップキャンペーンにより、5分以内の国内無料通話を1年間無料で付けることができる。
料金 2970円/月 (4G、5G対応)
データ量 | 20GB/月 |
超過後速度 | 1Mbps |
5分以内無料通話 | 0円 (プランに含む) |
5分超過後 | 22円/30秒 |
1~70文字(全角) | 3円 |
71~134文字(全角) | 6円 |
かけ放題 (国内) | 1100円/月 |
データチャージ1GB | 550円 |
ドコモ→ahamoで利用不可になるサービス
使えなくなる割引・サービスはプラン詳細で確認。
ドコモ → ahamo 不要
au・ソフトバンク → ahamo 必要
ahamoで使うスマホの入手方法
対応機種は対応端末一覧で確認。
料金 2728円/月 (4G対応、5Gは2021年夏予定)
データ量 | 20GB/月 |
超過後速度 | 1Mbps |
通話 | 22円/30秒 |
70文字まで(全角) | 3.3円 |
5分無料通話(国内) | 550円/月 5分超過後 22円/30秒 |
かけ放題(国内) | 1650円/月 |
データ使い放題24時間 | 220円/月 |
データ追加1GB | 550円/月 |
au→povoで利用不可になるサービス
使えなくなる割引・サービスはプラン詳細で確認。
au → povo 不要
ドコモ・ソフトバンク・ワイモバイル → povo 必要
povoで使うスマホの入手方法
対応機種は対応端末で確認。
端末販売無し
料金 2728円/月 (4G、5G対応)
データ量 | 20GB/月 |
超過後速度 | 1Mbps |
通話 | 22円/30秒 |
70文字まで(全角) | 3.3円 |
LINEギガフリー | LINEアプリのトーク、通話などは20GBを消費せず使い放題 |
5分無料通話(国内) | 550円/月 5分超過後 22円/30秒 |
かけ放題(国内) | 1650円/月 |
データ追加1GB | 550円/月 |
ソフトバンク・ワイモバイル→LINEMOで利用不可になるサービス
使えなくなる割引・サービスは「LINEMOでできないこと」で確認。
ソフトバンク・ワイモバ → LINEMO 必要
ドコモ・au → LINEMO 必要
LINEMOで使うスマホの入手方法
対応機種は動作確認端末でチェック。
端末販売無し
4G、5G通信対応
0~1GB | 0円 |
~3GB | 1078円 |
~20GB | 2178円 |
20GB超は無制限 | 3278円 |
Rakuten Link利用 | 0円 |
通常のアプリ利用 | 22円/30秒 |
Rakuten Link利用 | 0円 |
通常のアプリ利用 | 3円/70文字 (全角) |
パートナー回線 | 5GB/月 超過後は最大1Mbpsで使い放題 |
ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバ → Rakuten UN-LIMIT 必要
楽天モバイルの通信エリアで確認。4Gと5Gの対応エリアは異なっている。
楽天アンリミットで使うスマホの入手方法
対応機種は対応製品一覧に有り。重要な項目は「接続回線の自動切替 (楽天回線⇔パートナー回線)」「データ通信」「通話」「SMS」。
紹介した製品はごく一部なので、販売中のは楽天モバイルで確認可能。
※特典は楽天モバイルのウェブでの購入で適用され、店舗での購入は対象外になるキャンペーンもあります。