まず目を見張るのは、シングルコアの性能がアップしていること。少し前のフラッグシップCPUの「Core i7-3770K」とSkylakeの「Pentium G4500」をシングルコアで比較してみると、なんと「Pentium G4500」のほうが勝っている。
ノートパソコンなどに使われる上位CPU「Core i7-6500U (2C/4T 2.5GHz/TB3.1GHz)」の、CINEBENCH R15の結果は、シングルコア132、マルチコア302。一方、Pentium 4500のシングルコアは146、マルチコアは285なので、ノートパソコンの上位機種のパワーに匹敵していた。
次は、Ivy bridge からのPentium の性能の変遷を示しているグラフで、ずいぶんとシングルコアパワーがアップしていることが見て取れ驚くほど。 表にあるCeleron G3900は、Pentium G4500と同世代のCPUなのだが、性能はイマイチといったところである。
大事なのは価格で、ショップの価格を実際に見てみる。参考のために2種類のPentiumを掲載した。ワンランク下になるG4400は、クロックが3.3GHzのPentiumで、その価格差は1000円台前半になっている。どちらのCPUも、「なかなかの性能」に裏打ちされて、安さの魅力が光っています。
内蔵GPUの3Dグラフィックス性能だが、Pentium G4500は「Intel HD Graphics 530」を搭載しているので、 ひとつグレード下のPentium G4400(Intel HD Graphics 510搭載)よりも、性能が良いのがわかる。ただ、ビデオカード搭載環境との性能差は段違いなので、FPSゲーム等、フレームレートが重要な時はビデオカードが必要になる。
Pentium G4500 はシングルコアの性能が過去のトップクラスCPUよりも高く、コストパフォーマンスの良さと合わせて考えると、「強力な処理を必要としない自作パソコン」、「安く仕上げたい自作パソコン」を組むときには、もちろん使い道が大となるが、旧世代のPCをマザーボードから一新して、マシンの性能を底上げしたいときにも役立つだろう。ただし、バリバリと3Dゲームをする人や、写真などの処理を重視するなら、旧製品でも4コアのほうが有利なことは、頭においておこう。
今回の比較で思ったのは、Pentiumはずいぶんと進化して、安いから処理が遅いとは言い切れないCPUとなり、存在感を増しているように思う。