Kaby Lake Pentiumは、すべて2コア4スレッドのCPUになり、マルチコア性能が格段にアップした。内蔵GPUは、Intel HD Graphics 610を搭載するものと、Intel HD Graphics 630がある。3D性能は、HD Graphics 630のほうが上である。低消費電力版「Pentium G4560T」も用意されている。
CPU | ベースクロック | コア/スレッド | 内蔵GPU | TDP |
Pentium G4620 | 3.7GHz | 2C/4T | HD 630 | 51W |
Pentium G4600 | 3.6GHz | 2C/4T | HD 630 | 51W |
Pentium G4560 | 3.5GHz | 2C/4T | HD 610 | 54W |
Pentium G4560T | 2.9GHz | 2C/4T | HD 610 | 35W |
驚いたのは、「Pentium G4600」のシングルコア性能が、Core i3-6100を上回っていること。 さらに、旧世代Pentiumから、どれくらい高性能化したのか比べてみると、 新旧世代の同クロックPentium同士では、「Pentium G4500」→「Pentium G4560」で、約3.4%アップしている。世代を超えた同型番同士では、「Pentium G4500 」→「Pentium G4600」で、性能は6.1%アップと、順調に伸びていることがわかる。(棒グラフの中で、濃い青はKabyLake、薄い青色の棒はSkylakeを表している)
2スレッドから4スレッドCPUになったことが、Kaby Lake Pentiumの大進化した部分である。このマルチコア性能をベンチマークで見てみると、Core i3-7100と新Pentiumでは、5.5%~11.2%の差があるが、値段が安いPentiumに、分があるように思う。また、Kaby Lake Pentiumは、Skylake Pentium G4500と比べて、マルチコア性能が37.5%(G4600比)も向上して、Pentiumの凄さが実感できる結果になっている。
Core-i3はAVX2命令というCPU命令を実行できるので、動画エンコードや、RAW現像のソフトがAVX2命令に対応している場合、高速に処理できるのである。Pentiumにはない魅力が、i3には備わっているところである。CPU選びの際は、AVX2なるものに注意してほしい。
Kaby Lakeの内臓GPU600シリーズの性能は、SkyLake世代の500シリーズに比べて、ほとんど変わらない結果となっている。Pentium G4620 の「HD 630」 は、Pentium G4560の「HD 610」より、50%ほどの性能差があるので、内蔵GPUを重視するならば、Pentium G4600 以上を選択したほうがよいだろう。
次は、ショップ価格をリアルに見てみよう。ここでは、比較のために、コスパの代表選手、Celeron G3930も掲載しておく。 安いほうが良いという方は、G4560を、少しでも早いものがというなら、G4600以上が選択肢になる。もし、低価格が最重要ならば、「Celeron G3930」が良いだろう。
今回の比較で思ったのは、今までPentiumは性能が低いといわれ続けてきたが、今回の大進化で、マルチコア性能が大幅にアップされたため、RAW現像、動画処理などでも、大いに活躍してくれるだろう。i3に匹敵する力を手に入れたPentiumは、強力にもかかわらず、コストパフォーマンスの良いCPUなので、お手頃にPCを作るときには、もってこいのCPUです。とうとうPentiumにも、市民権を得る日が来たのである。